矯正歯科とは
矯正歯科治療とは、歯やあごを動かすことによって悪い歯並びを整え、噛み合わせを改善し、きれいな歯並びにする歯科治療です。「自分の歯をできるだけ一生残したい」「歯のデコボコが気になる」「口元を引っ込めたい」「目立つ装置は嫌だ」「健康な歯を抜きたくない」「短期間で終わらせたい」「お手入れのしやすい歯並びにしたい」「噛み合わせを最優先したい」「後戻りをなおしたい」など、歯並びに関する願いや悩みはさまざまです。
矯正歯科治療は虫歯治療やその他歯科処置に比べ、長い期間がかかります。そのため、患者さんそれぞれの願いや思いをしっかりお聞きし、歯科医師も同じ方向を向いて、ご本人やご家族と一緒に治療に取り組んでいくことが、矯正歯科治療の良い結果を生むと考えます。
矯正歯科治療の方法は、ひとつとは限りません。梅ヶ丘の歯医者「さむら歯科・矯正歯科室」では、精密検査を行い、患者さんそれぞれの問題や特徴を探し出し、それらに対する解決法をご提示します。そして「治療時期」「抜歯か非抜歯か」「抜歯の場合どこを抜くのか」「装置の種類」「治療期間」「治療費用」など、患者さんと相談しながら決めていきます。矯正装置は、取り外しできる床矯正、表側矯正、マウスピース型矯正装置など、治療時期や症例、患者さんのご要望に応じてご提案します。
各治療法のメリット・デメリットについてもご説明しますので、矯正歯科治療をしない選択肢も含め、じっくりお考えいただきたいと思います。
PICK UP
歯は一生動いています
矯正歯科治療をした、しないに関わらず、歯は一生動いています。矯正治療によって一度獲得した歯並びをできるだけ維持しようと考えるならば、保定装置(リテーナー)と呼ばれる装置を、できるだけ長く使用し続ける必要があります。一定のメインテンス期間が過ぎた後は、毎日でなくても、数日に1回、夜だけでも使用していただくことが長く安定した歯並びを保つコツです。体の一部のように末永くリテーナーを愛用していただくことを願っています。
矯正担当医紹介
佐村 ゆかり
経歴
日本歯科大学歯学部 卒業
日本歯科大学矯正学医局 在籍を経て
2006年~ 世田谷区梅ヶ丘で開院 現在に至る
所属学会
日本矯正歯科学会
東京矯正歯科学会
IDS-GINZA Total Solutions for Orthodontics において石川晴夫先生に師事
歯並びチェックをしませんか?
簡単な歯並びや咬み合わせのチェックには、以下のようなことが挙げられます。
歯並びをチェックして気になることがありましたら、ご相談ください。
- 顔や歯並びが左右対称か
- 横顔でくちびるがひどく出ていたり、引っ込んでいることはないか
- 上の歯はすべての下の歯を覆っているか
- 上下の前歯の中心が一致しているか
- 歯が重なっていたり、間に隙間はないか
- 上の前歯や下の前歯が前方に出ていないか、その逆はないか
- 前歯がひどく伸びだしていることはないか
- 部分的に食物が歯の間に停滞したり、はさまることはないか
- ひどく磨り減っている歯はないか
- 口臭が気にならないか
(公益社団法人 日本矯正歯科学会HPより)
代表的な歯並び
上顎前突
(じょうがくぜんとつ)
「出っ歯」とも呼ばれ、上の前歯が大きく前に突き出した状態です。前歯だけが出ている場合もありますが、歯列全体が前に出ていたり、上顎自体が前に出ていたりするケースもあります。遺伝やあごの成長バランスの崩れによっても引き起こされますが、指しゃぶりや口呼吸のクセなどがある場合も注意が必要です。
反対咬合
(はんたいこうごう)
「受け口」とも呼ばれ、下の前歯が上の前歯より前に出た状態です。上の歯が後ろに傾いているケースのほか、下顎の過度な発達や上顎の発達不足といった、骨格上の問題が考えられる場合もあります。発音が不明瞭となりやすく、咀嚼(そしゃく)が難しくなることもあります。
上下顎前突
(じょうげがくぜんとつ)
上の歯も下の歯も前に突き出た状態です。唇が閉じにくく、ぶつけた拍子に前歯が折れたりしやすい歯並びです。
交叉咬合
(こうさこうごう)
上下の歯が左右にずれ、奥歯や前歯が交叉した歯並びです。正しい咬み合わせでは、上下の前歯の中心が同じ位置にありますが、この歯並びだとずれることがあります。奥歯で食べ物をすりつぶすのが難しく、顔が歪んでしまう恐れもあります。
空隙歯列
(くうげきしれつ)
正中離解
(せいちゅうりかい)
すきっ歯とも呼ばれ、歯と歯の間にすき間がある状態です。あごの大きさに対して歯が小さかったり、歯の本数が足りなかったりする場合になりやすい歯並びです。目立つうえに、食べ物がはさまりやすくなります。
叢生(そうせい)
歯がでこぼこに生えたり、重なって生えたりした歯並びです。あごの大きさに対して歯が大きく、きれいに並ぶだけのスペースが足りない場合に起こります。八重歯(やえば)も叢生の一種です。
過蓋咬合
(かがいこうごう)
正面から見て、下の歯がほとんど見えないほど上の歯が深く覆い被さった状態です。上の前歯の裏側に下の歯が当たったり、食べ物が咬みきりにくくなったりします。発音が難しくなることもあります。
開咬(かいこう)
奥歯が咬み合っていても、前歯が閉じずに開いた状態です。指しゃぶりなどのクセが原因となることもあります。また口呼吸の習慣も考えられます。前歯で食べ物を咬み切ることが難しく、空気がもれるため、発音にも支障をきたしやすい歯並びです。
子どもの矯正と大人の矯正
矯正歯科治療は子どもでも大人でも受けられる治療です。ただし、治療の内容は少し異なります。
小児矯正(乳歯列期~混合歯列期)
歯を1本1本綺麗に並べることよりも、上顎骨や下顎骨のより良い方向への成長を促すことや、永久歯へのスムーズな交換の観察や誘導を目的としています。最終的に大人の歯が生えそろったときに、良い歯並びや咬み合わせになっていることをめざします。
成長期にある子どもにとって、いつが治療開始のタイミングなのかの見極めが重要です。精密検査後、「少し矯正治療の開始を待ちましょう」とお話することもありますし、子どもの矯正に続き、永久歯列本格矯正が必要になることもあります。
成人矯正(永久歯列期)
顎骨の成長が落ち着いた、生えそろった永久歯列に対して行う本格矯正治療です。見た目、咬みやすさ、歯磨きのしやすさなどを求めて希望される方が多いです。
※骨格的な問題があり、矯正治療だけでは治療が難しいと考えられる場合には、大学病院等他の医療機関をご紹介することがあります。
矯正歯科治療の流れ
Step01
初診・ご相談
歯並びや咬み合わせについて気になる点、ご希望・ご質問などお聞かせください。一般的な治療の流れ、治療期間、治療費などの概要を説明します。
Step02
検査
視診、口腔内・顔面写真、レントゲン撮影、歯型の採取などの検査を行い、治療上必要な事項を伺います
Step03
検査結果・治療方法のご説明
検査の結果をもとに、現在の状態(問題点)を探し出し、その問題点に対する解決法を説明します。多くの場合、治療法は複数あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。何を治したいか、何は譲れないかなど改めてお考えいただき、治療法をじっくり検討していきます。矯正歯科治療を受けることを決めた場合、矯正歯科治療の前準備に入ります。
Step04
前準備
虫歯や歯周病の処置などが必要な場合、装置装着前に行います。歯のクリーニング、ブラッシング指導を行い、その後、数回に分けて矯正装置を入れる準備と装置装着をします。
Step05
動的治療開始
約1ヶ月に一度のペースで来院いただき、装置の調整をします。全体のクリーニング、歯磨きの確認、指導なども行います。
Step06
保定治療開始
歯がきれいに並んだら、矯正装置を外します。
移動した歯はすぐにも元に戻ろうとするため、それを防ぎ、安定させるために、リテーナー(取り外しできる装置、歯に張りつける装置があります)と呼ばれる装置を装着します。(一般的には2年以上)
料金紹介
基本治療料
初診相談※ | 3,300円 |
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2回目以降の相談・セカンドオピニオン | 3,300円 |
精密検査料 | 33,000円 |
診断料 | 22,000円 |
※既存患者様は無料となります
小児矯正料(乳歯列期~混合歯列期)
第Ⅰ期治療 | 165,000~462,000円 |
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第Ⅱ期治療(永久歯列) | 682,000~902,000円 第Ⅰ期治療から永久歯列本格矯正に移行する場合、上記との差額をいただきます |
成人矯正料
表側矯正 | メタルブラケット | 682,000~792,000円 | |
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セラミックブラケット | 847,000~902,000円 |
マウスピース矯正(片顎) | 330,000円~ ※症例によっては適応できない場合があります ※軽度な歯のずれや治療後の後戻りなどに適応 |
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部分矯正 | 55,000~495,000円 | ||
矯正用アンカースクリュー | 16,500円/本 ※埋入、撤去などの費用を含みます |
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保定装置料 | 33,000~55,000円 ※当院で治療した場合の装置料です |
調整料
処置料 | 3,300~5,500円 |
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保定観察料・経過観察料 | 3,300円 |
※すべて税込み価格です。
※金額は概算ですので、詳細は症例に応じご説明します。
※お支払方法は、現金(一括・分割)・クレジットカード・銀行振込をお選びいただけます。
※矯正治療は保険診療適用外で、自費診療となります。ただし、医療費控除の対象になる場合がありますので、各自治体の税務署にお問い合わせください。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正治療には患者さんのご協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧に磨いたり、定期的なメインテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態の被せ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病などにより歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療などが必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。